ウチコミ!タイムズ

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ウチコミサイトの上手な利用法について

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ウチコミサイトの利用について、成功した方、上手くいかない方、いろいろあると思います。ウチコミサイトは今までにない新しい取り組みです。ウチコミサイトに期待を寄せて頂いている方々に、少しでも良い結果を享受頂きたいので、昨年成功した大家さんの事例をご紹介し、上手に使って頂きたいと思います。

〇初期費用(賃貸契約時の契約金等)の分割払いを採用。

賃貸住宅の契約時には通常、敷金・礼金・日割家賃・前家賃・保証料・家財保険料などの費用がかかります。現在の賃貸市場では、敷金や礼金は無いケースも増えていますが、それでも家賃が仮に5万円とした場合、最低でも10万円以上は想定される事になります。

賃貸住宅の入居者さんが転居を考える時、この初期費用の問題は非常に大きな要素となります。転居の理由についても、一昔前のような必然的な理由、例えば、転勤や転職・就職などの理由が大勢を占めておらず、更新料への不満や現住居への不満・・・。

気分転換的な転居と・・・。転居理由も大きく様変わりしています。

因みに、更新料への不満と言うのは、現在住んでいる賃貸住宅の更新時期に発生する更新料を支払いたくない事から転居を考えるケースですが、その行動に出られる方々は、他にも不満を抱えている事が多いですね。

その不満内容は多岐に渡りますが、現住居への不満と重なる部分が多いので以下を参考に見て下さい。
現住居への不満は、賃貸住宅の隣近所に音などの問題発生住居があったり住宅自体の使い勝手の悪さ・・・。住宅設備が古かったり、使い勝手が悪かったり住宅の環境や通勤・通学に思った以上の不便さを感じていたり・・・。その住宅に住んでみて感じた事などですね。

そして、今の入居者さんの共通する考え方として、従来の初期費用に対する不満もたくさん持っています。

礼金・・・何のための支払いなのか理解できない。
仲介手数料・・・家賃と同額、高い、支払いたくない。
初期費用・・・まとめて一括で請求されるのが納得いかない。
以上のような事から、転居を考える入居者さん側には、大家さん側から見えづらいハードルがあります。

☆初期費用分割の事例

大家さん側で自分の物件ページに「初期費用分割相談可」というコメントを掲載しますと、入居者さんから早速メッセージが入りました。質問の中に「初期費用の分割」に対する問合せが含まれています。
その後、物件の魅力も入居者さんに伝わり、順調に内覧に移行し、保証会社の審査等をへて、無事に「賃貸契約成立」となりました。

このケースでは、契約時に家賃1ケ月分だけを契約金として支払い、残りを1万円づつ合計6か月の分割払いという形で、毎月の家賃支払いに上乗せして支払う形で整えました。分割払いは6か月で終わりますので、その後の支払いは家賃等だけの通常の形に戻ります。

入居者さん側では・・・。積極的に引越しを模索していたわけでは無かったようですが、初期費用分割が使える事で初期費用の負担が少なく転居が出来るメリットが決め手となりました。

大家さん側では・・・。賃貸住宅の閑散期に、入居者募集で苦労をしていたところ、意外な形で空室を埋める事ができてほっとしたとのことです。但し、分割払い分は「保証会社」の補償範囲外なので、注意と覚悟が必要でしたが分割払いも無事終了しています。初期費用の金額によっては、保証会社の費用などを一旦大家さんが立て替える必要がありますから注意しましょう。

※初期費用分割に対する考察

このサービスは、大家さんの工夫の勝利ですね。多少の危険負担はあるものの、家賃の延長線上の費用で入居者さんの負担を軽減する事によって潜在顧客を顕在化した営業戦略ですね。

現在の賃貸不動産業界では、このサービスは一般化されていません。通常の不動産屋さんへ足を運んでも、実現するのは難しいでしょう。

通常の不動産屋さんは、賃貸契約に於いて大家さんの意向をここまで取り入れる考え方をしません。ある意味、旧態依然のやり方を踏襲する事と、賃貸契約で全てが綺麗に終わるやり方を優先します。つまり、後々、一旦終了した賃貸契約の事で煩わされことを嫌うんです。

しかし、大家さん側では違います。どんなきれいごとを並べても、空き家が解消されなければどうにもなりません。

この初期費用分割で注意する事は、滞納のリスクをどう担保するかです。通常の家賃の部分は、保証会社へ加入などの手続きで補てんできます。残りの分割払いの部分に関しては・・・

保証審査の内容を大家さんもチェックする事。
契約書類に、分割払いの記載を盛り込む。
内見時などに入居者と直接会って話す。
入居者側に無理のない分割払い内容を設定する。

最近では、沢山の大家さんが採用されています。検討されて見ては如何でしょうか。

〇初期費用定額・初期費用大家さん負担を採用。

これは、賃貸契約の際に係る費用を定額にする若しくは、大家さんが負担するというサービスです。幾つかのパターンがありますが、初期費用定額は言葉のとおり4万円とか、5万円とかの金額だけ払えばそれ以上は入居者さんの負担はないというサービスで、残りは全て大家さんが負担します。

一番すごかったのは、入居者さんの負担が「日割家賃」のみという形を採用した大家さんです。このパターンは、敷金・礼金なし。フリーレント1カ月付き。保証会社の加入は義務付けていましたが、保証委託契約時(一番最初の)契約金も大家さん負担。

入居者さんに加入頂く家財保険(最初の2年分)も大家さん負担。そして部屋の鍵交換費用も大家さんが負担しましたので、仲介手数料は発生しませんから残りは「当月分の日割家賃」のみでした。たしか数千円です。

通常の賃貸住宅を、不動産屋さんに脚を運んで探した場合、家賃が3万円程の住宅でも初期費用は8万円以上かかるはずです。何よりも、いままでの部屋探しの枠組みで考えたら、ありえない話です。賃貸募集のサービスとしては過去最大のものである事は間違いないでしょう。

☆初期費用定額の事例

入居者募集に6か月ほど苦心し、ウチコミを利用した時に物件ページに「初期費用定額」を掲載しました。程なく入居希望者から問い合わせが入りました。入居希望者は、その初期費用定額、このケースでは・・・。

敷金・礼金なし
1か月分のフリーレント付き
保証会社費用(最初の契約金)大家負担
鍵交換費用なし
仲介手数料なし

以上の内容から、入居者さんの負担は家財保険加入の15,000円と日割家賃の3千円合計金額:20,000円のみ。

入居希望者は、物件ページで掲載された物件の写真なども確認していた為、内見なしでも賃貸契約をしたいとの申し出でしたが、大家さん側は、物件をキチンと確認いただいてかか契約頂きたいとの話で、内見をへて入居申込み〜保証審査〜賃貸契約と、順調に進みました。

入居者さん側では・・・。とにかく初期費用の安さに驚いたこと。お部屋についても壁紙などの張り替えも、クリーニングもされて綺麗な事。そこが決定的だと言っていました。

大家さん側では・・・。半年近く空き家が続いている事で、振り切った考えかたを実践した。物件を管理している管理会社からは「そこまでする事はないのでは?」と言われていたそうですが、空き家状態=収入0円が続くわけですから・・・。

家賃:3万円として6か月空き家だと==−18万円。

保証会社の費用や鍵交換、フリーレントを負担しても、6万円程の1/3の投資です。

ただ、早期の退去に対応する為、早期解約違約金を特約で設定しました。結果として、思った効果が得られてとても満足しているとの事です。

■早期解約違約金とは?

フリーレントを採用する入居者募集や、敷金0円・礼金0円などで入居者募集をする物件で、6か月未満若しくは、1年未満の解約を防ぐ目的で、設定した短期期日での退去の場合、1〜2ヶ月の違約金を入居者に課する特約です。

簡単に言えば、フリーレント等の入居者に有利なサービスの持ち逃げを防止する特約です。一般的に1年未満の解約に適用されるのが主流です。

※初期費用定額・初期費用大家さん負担の考察

このサービスは、ある意味究極です。もちろん、現状での賃貸業界に存在するシステムではありません。入居者さん側から見た場合、通常10万円以上かかる初期費用がほぼ無く、入居希望者の負担も究極的にカットされています。

現在も進行中の、無尽蔵に供給される新築の物件に対抗する手段としては、間違いなく目を引くでしょう。実際、ウチコミサイト内でも、パターンも豊富に実践されています。

更には、物件としての条件の不利さ、例えば、駅からの離れている物件や、国道や線路に面していたり、商業施設までの距離がある、住宅環境にマイナス要因を持っているなどの物件であっても、セールスポイントにする事ができるでしょう。

但し、先ほどの解説の通り、賃貸契約時に大家さんの費用負担があります。その負担は、しっかり確認する必要があります。

〇その他のサービスについて

前章で説明した物以外のサービスを簡単に説明します。

①フリーレント

ご存知の方も多いと思います。簡単に説明しますと、家賃の1ヶ月分を無料とするサービスです。ウチコミサイト内で使われている事例でお話ししますと・・・「〇月中にご契約(お申込み)頂いた方にフリーレント1カ月を提供致します。」と言う様な使い方が多いようです。

フリーレント1ケ月がある物件は、初期費用が家賃1ヶ月分軽くなりますから、お得感は伝えやすいですね。ただ、フリーレントは一般的になりつつあるせいか、幾つかのサービスの1つとして使われるケースが増えています。

②家具・家電付き

こちらもレオパレスさんが採用しているシステムですが、ウチコミサイト内ではバリエーションが豊富です。以下に事例をご紹介します。

ベット・テーブル等の家具を家賃2〜3千円プラスで貸与若しくは贈与する方式。
冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機等を家賃2〜4千円で貸与若しくは贈与する方式。
予めテレビや電子レンジなどを設置しておき、家賃の内で要・不要を聞く方式。
その他、有料・無料や設置する設備なども入居者の希望に合わせる方式。

と、以上のようにバリエーションが豊富です。

実際の現場でも、初めての独立や、社員寮からの独立のような転居の場合、入居者さん側の受けも良いようです。注意点は、あくまでも入居者の希望と合致することが条件で、入居者が不要となれば大家さん側で撤去しなければならない事もあります。

③小物類のプレゼント

キッチン用品や洗面用品などを予め部屋にディスプレイしておき、契約者にそのままプレゼントするもの。

洗剤類やスポンジ、タオル類、小物入れなどと、こちらもバリエーションは豊富です。お花の飾り等、物件内覧時に華やかさや綺麗さ、大家さんの気持ちなども伝わりやすいですね。但し、あくまでも2次的なサービスですから、こちらも他のサービスと合わせて使われている事が多いですね。

④家賃交渉サービス

題材としてあげましたが、それ程頻繁に成立しているわけではありません。入居者側から交渉が入るケースは、ままあるようですが、大家さんも経営者です。そんなに簡単に交渉に応じているケースは多くありません。

交渉に応じたケースでも、千円〜2千円という話しか聞いていません。賃貸相場から大きく離れている場合、今の入居者さんはネットで沢山物件を見ているので問合せ自体が起きてこないと思われます。

また、家賃を下げて集客につなげるというやり方がありますが、そもそも家賃相場より著しく下げる事は、大家さんの経営を圧迫する危険性の方が高いのではないでしょうか。相場を無視して家賃を高値で設定していない限り、効果のほどはどうでしょう。

※まとめの考察

賃貸物件には、それぞれ特徴、長所、短所があります。地理的、所在的な要因による長所、短所は変える事ができません。しかし、サービスというものであれば、どんな物件にとっても武器になりえます。また、考え方や工夫次第では短所を長所に変える事も無理な話ではありません。

ここまで沢山の事例などを紹介してきましたが、どの様に感じられましたか? 現在の大家さんとしての立場を考えて見ますと、企業の社長さんと変わらない感じがします。

経済の動向も不透明感が強く、空き家問題も出口はほど遠く、人口減少の問題も・・・。不安要素は数えればキリがありません。しかし、ここで紹介したように大家さんが自主的に自分の意志を反映させられるサイトですから沢山の工夫や成果があげられます。 皆さんも、ちょっとした工夫や、ちょっとしたアイデアで流れを変えて見て下さい。

今後も、新しい取り組みなどをご紹介して行きます。

ウチコミ!は大家さんと作る新しいお部屋探しのサイトです。
空室対策の一環として取り組んでみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

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